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「優秀発明賞」4件を表彰

掲載日:2013/02/14

千葉大学では創出された学術研究成果をもとに毎年多くの特許出願を行っています。この出願特許を多くの企業で活用していただくために広く社会に公開し、新産業創成や新技術開発のお役に立ちたいと考えています。そこで、特許出願の中から特に優れた発明に対して平成24年度千葉大学「優秀発明賞」を贈呈し、表彰しました。千葉大学の単願および共願の特許出願を対象として合計117件の中から優秀発明を4件選出いたしました。表彰式は平成25年2月7日(木)千葉大学学長室にて執り行い、学長から表彰状と盾が贈呈されました。

受賞者

エンジニアリング分野

①発明:「表示装置」

大学院融合科学研究科 小林 範久 教授 ほか
金属電解析出型エレクトロクロミズム(EC)を用い、析出金属の状態(粒径、形状など)を制御することにより、単一素子でありながらも透明状態、着色状態、ミラー状態を可逆的にスイッチできる新規調光デバイスを発明しました。建築物の窓開口部からの冷暖房の損失の防御に役立つとして注目を浴びています。

②発明:「遺伝子スイッチおよび遺伝子回路の高速開発方法」

大学院工学研究科 梅野 太輔 准教授 ほか
回路のセレクタとして使用する遺伝子配列とその上流に連結されるプロモータ配列を含む発現ベクターに新規な工夫を凝らし、ON/OFFいずれの選択操作も5~30分で実行でき、かつ漏出も少ない画期的な高速化手法の発明です。高速選択操作可能な複雑な遺伝子回路を構成でき、有用たんぱく質の生産、代謝工学、バイオセンサ分野での実用化が期待されます。

医薬・バイオ、園芸分野

①発明:「ヒト多能性幹細胞からの造血幹細胞の効率的な誘導方法」

大学院医学研究院 岩間 厚志 教授 ほか
造血系の細胞への効率的(遺伝子導入などの煩雑な操作の必要がない)で安全(異種動物由来細胞を使用しない)な誘導法を提示するものであり、独創的で且つ極めて優秀な発明です。今後のiPS細胞とそれを用いた再生医療の発展とともに、本件発明も注目されることが予想され、実用性、市場性が大いに期待されます。

②発明:「乳酸菌および抗原物質を含み、口腔内に投与されることを特徴とする抗アレルギー剤」

大学院医学研究院 稲嶺 絢子 特任研究員 ほか
スギ花粉標準液を用いた舌下減感作療法において、治療効果の期待できる方を選別できるすぐれた発明です。舌下減感作療法は期間も長く費用もかかることから、あらかじめ治療効果が期待できる方かどうかを把握できることは重要であり、今後の展開に期待が持てます。


表彰を受ける小林範久教授


記念撮影