子供の写真で白い瞳に気付いたらどうすべきか? 動画で健常児が白色瞳孔を呈するメカニズムを世界で初めて報告

2023年08月24日

研究・産学連携

千葉大学大学院医学研究院の足立明彦特任助教と、東京大学大学院総合文化研究科の川島友莉博士(研究当時)らのグループは、世界で初めてPseudoleukocoria(偽性白色瞳孔)の動画により、その機序を説明しました。本研究により、健常児であっても瞳孔が白く見えてしまうケースが明らかとなることで、偽性白色瞳孔だけでなく白色瞳孔に関する理解も進むことが期待されます。
Leukocoria(白色瞳孔)は、先天白内障・網膜芽細胞腫・網膜剥離・第一次硝子体過形成遺残・コーツ病などの存在を示唆する症状として知られています。なかでも、網膜芽細胞腫は増殖が速い腫瘍であるため、子供の写真などで瞳孔からの白い反射に気付いた時は1週間以内の専門機関への受診が勧められています。しかし白色瞳孔を示した子供が全て病気とは限りません。過度に怖がらず、速やかに小児眼科医の診察を受けるようにしましょう。
本成果は、令和5年7月28日に小児科分野の国際誌である Pediatrics Internationalに掲載されました。

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    偽性白色瞳孔が起きる機序。健常児では通常、補助光を用いた撮影の際に、反射がない(黒目)か、網膜からの反射による赤色瞳孔(赤目)を呈するが、外側15°から光が入ると視神経乳頭(視神経円板)からの反射によって偽性白色瞳孔を示す。なお、網膜芽細胞腫による白色瞳孔では、観察される角度は局在やサイズにより異なるが、腫瘍の増大に伴い白色瞳孔を呈する頻度(白色瞳孔となる角度の割合)が増える。