【President's Choice】千葉大学グローバル人材育成の今 ~"ENGINE"3つの取り組み~
「学長室のいち推し"President's Choice"」へようこそ!
千葉大学長の中山俊憲です。
こちらでは、私がお勧めする千葉大学の取り組みや成果を紹介します。
第26号 2023年2月15日 ~学長室のいち推し"President's Choice"~
千葉大学グローバル人材育成の今 ~"ENGINE"3つの取り組み~
千葉大学では、2020年度に「千葉大学グローバル人材育成プラン"ENGINE(Enhanced Network for Global Innovative Education)"」をスタートさせました。「"ENGINE"=全員留学」と認識されている方も少なくないかもしれませんが、「全員留学」は、「"ENGINE"の3つの取り組みの柱の1つ」であることをご存知でしょうか。ENGINEは「全員留学」のみでなく、「グローバル教育の充実」と「スマートラーニングの推進」も柱とした、グローバル人材育成戦略を拡大するプランです。開始から約3年を経て、順調に軌道に乗った"ENGINE"の3つの取り組みの魅力と現状について、簡単にご紹介します。
1つ目の柱である「全員留学」は、学部生・大学院生を問わず、卒業・修了までに1度は留学を経験するというものです。新型コロナウイルス感染症のパンデミックやウクライナ危機等、"ENGINE"プランの策定当初には予想できなかった様々な出来事が起こりましたが、コロナ禍においても、約2,000名の学生がオンライン留学プログラムを受講しています。オンラインプログラムは、海外への渡航が困難な地域であっても、現地教員による同時双方向授業のほか、現地学生やオンラインホストファミリー等との交流、プログラムのテーマに関する施設等へのバーチャル訪問など、渡航プログラムにおいて行う内容を可能な限り実現できるよう、海外協定校等の強力なサポートのもと実施しています。
参加した学生からは、「現地学生やホストファミリーとの交流がその後も続いている」「オンライン留学は意味がないのではと思っていたが、とても充実していた。実際に渡航しようという意欲が湧いた」といった嬉しい声もいただいています。
当初は緊急代替措置として開始したオンライン留学プログラムですが、平時であっても渡航が難しい地域のプログラムや、授業期間中に通常授業と並行して履修できるプログラムは、今後も積極的に整備していきます。
2022年度からは渡航を伴うプログラムも一部再開することができ、2022年度には700名以上の学生が海外での学びを経験しています。学生の皆さんが自身の留学目的に合わせてプログラムを選択できるよう、参加学生の意見も反映しながら、海外協定校等と留学プログラムの企画・開発に常に取り組んでいます。プログラム参加学生へのアンケートでは、89%の学生が「英語でのコミュニケーションに対する自信が深まった」と回答したほか、「海外の大学生との交流を通して勉強に対する真剣度が高まった」「帰国後も英語学習をさらに継続したい」といったように、学びに対する意欲に変化が見られた学生も多くいました。今後は、学生の皆さんが安心して学べるよう渡航中の危機管理体制を強化しつつ、渡航プログラムの拡充を進めます。
アルバータ大学プログラム(カナダ)の様子
2つ目の柱は、「グローバル教育の充実」です。「聞く、読む、書く、話す」の4技能を高いレベルで運用できる能力を身に付け、学術活動においてもコミュニケーションツールとして英語を使いこなせるように、2020年度には全面的に見直した新しい英語カリキュラムを導入し、コミュニケーション英語・専門英語の科目を増設したほか、イングリッシュ・ハウスにおける各種レッスンの拡充や授業外学修ツールの増強といった取組も実施しています。また、ネイティブスピーカーの英語教員を大幅に増員するなど英語教育体制も強化しております。
イングリッシュ・ハウスの様子
3つ目は「スマートラーニングの推進」です。留学先でも時差をうまく利用して千葉大学の授業を受講し、単位が取れる体制も充実してきました。文字通りどこにいても、いつでも千葉大学の講義等を履修し単位をとることができる、「24時間眠らない千葉大学」になりつつあります。これまで長期留学すると留年しなければならないなど、留学を躊躇する状況がありましたが解消されてきています。
また、当初4年間で100科目の授業をオンライン化する予定であったところ、新型コロナウイルス感染症対応のため、全学でおよそ7,000科目の授業をオンライン化しました。メディア授業の実施や受講支援のための組織として、スマートオフィスを設置し、専門的知識を有する教職員の増員、教育系情報システムの増強や学内のWi-Fi設備の増強等を行い、授業を安定的に提供する体制を整えています。
これからも "ENGINE"プランのもと、千葉大学から多くのグローバル人材を輩出できるよう努めてまいります。
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