アカデミック・リンク・センター/ 附属図書館
オンラインとオフラインによる学びの支援
「空間」「コンテンツ」「人的サポート」により、多様な学びのきっかけを提供
"考える学生の創造"を目指し、2012年3月にオープンしたアカデミック・リンク・センター。
図書館機能の高度化を図り、学部生から大学院生までを一貫して支える、教育基盤構築に向けて、千葉大学における教育・学習支援機能の強化・拡充を行っています。
千葉大学が提唱する「アカデミック・リンク」の概要、さらに充実した学習環境・附属図書館について紹介していきます。
考える学生を創造するための3つの機能
Place:アクティブ・ラーニング・スペース
学生の皆さんが、様々な資料、コンテンツ、情報通信技術、あるいは学習を支援する人々(教員、図書館員、学生)を最大限活用しながら、グループや個人で学習を行うのにふさわしい場、自らの学習の成果を公表する場を提供します。
Content:デジタル・スカラシップ
デジタルコンテンツを活用した研究、教育、学習を実現するための支援と学術コミュニケーションのデジタル化に重点を置き、「千葉大学学術リソースコレクション:c-arc」や「千葉大学の本棚:cu-Books」による千葉大学の持つ学術リソースの提供や研究成果の発信、デジタルコンテンツの利用環境整備を行います。
Support:リサーチ&ラーニング・コモンズ
学部生や大学院生の皆さんが各自の興味・関心・学習ニーズにあわせて選択できる「スキル向上のための支援プログラム(Encourage YOUR Research!)」を、講義・実習形式のセミナー、個別学習相談、オンライン教材など多様な形式で提供し、学びの高度化を支援します。
4つの個性を持つ図書館
- ここでは附属図書館本館(西千葉)の学習環境を紹介しています。アカデミック・リンクの学習支援は、松戸分館・亥鼻分館・オンラインなどを通じて、全学に展開しています。
- Learning棟 -黙考する図書館-静かに読書をしたり、一人静かに思考する学習空間。伝統的な図書館の良さを徹底して残すことを意識した建物。L棟にある静寂閲覧室内ではキーボード音の出る機器の使用はできません。
- Investigation棟 -研究・発信する図書館-研究開発、コンテンツ制作の拠点として、アクティブ・ラーニングに適した新しいタイプのセミナー室や授業の収録が可能なコンテンツスタジオなどを設置。
- Networking棟 -対話する図書館-静寂であることを求めない、複数で学習するシーンを中心に考えられた空間。窓に面した席を除き、配置された多様な形の机や椅子、ホワイトボードはすべてキャスター付きで、学生が自由に動かすことができます。必要に応じて大きいテーブルをつくったり、少人数に分かれたりすることができます。
- Knowledge棟 -知識が眠る図書館-伝統的な書庫としての機能を中心に考えられた建物。貴重書室、マイクロ室、巨大な電動集密書架などを備えた知識集積拠点です。
アカデミック・リンク・センターの様子
- 多様な学習席グループ学習のための、動かせる机や椅子、コンセントのついたカウンター席などがあります。声が出せるエリアと静かなエリアに分かれており、学習目的に応じて最適な空間を選べます。
- グループ学習室アカデミック・リンクのコンセプトのひとつ「見る・見られる」学習空間を象徴するガラス張りの学習室です。
- 分野別学習相談、領域別学習相談(園芸学部)学習支援担当SAである院生サポーターが、学習・研究上の悩み、課題・レポートについて、対面/オンラインの双方で相談にのります。
- PCサポートデスク技術支援担当SAである学生サポーターが、PCに関わる操作全般について、対面/オンラインで相談にのります。
- 調べもの相談図書館員が、資料や文献の探し方、データベースの使い方などを、対面/オンラインの双方で支援します。
- 1210あかりんアワー図書館入口横のプレゼンテーションスペースで、毎週火曜日の12:10~12:40に開催されるショートセミナーです。過去の録画はオンラインで、いつでも視聴できます。
- 留学支援棚海外留学を考えるとき、事前に読んでおくと役立つ図書を、学生スタッフが10のカテゴリ(地域ガイド・留学計画・日本紹介・異文化交流など)に分けて選び抜いた、テーマ本棚です。
- 大学院生の支援主に学部高年次から大学院生を対象に、オンラインセミナー、実習型の講習、個別学習相談、オンライン教材の提供などさまざまな方法で、千葉大生のより高度な学びと研究を支援します。
- ブックツリー「見せる本棚」ブックツリーは、図書の多様性と可能性に気づくための「見せる本棚」。テーマに沿って分類を超えて本が配架されています。1階と3階には、教職員や学生が展示に利用できるスペースもあります。
- コンテンツスタジオ「ひかり」授業を「学習資源」として活用するための録画設備を備えた教室です。
- セミナールーム「まなび」演習やワークショップ形式の授業を行うための教室。部屋の前後には「壁一面のホワイトボード」が設置されています。
- コンテンツ制作室動画やポスターなど、コンテンツ制作のための高度な機材やソフトウェアが使用できます。収録用のミニスタジオも完備し、初心者でも技術スタッフに相談しながら操作が可能です。
アカデミック・リンクの実践へ
コンセプト
「アカデミック・リンク」とは、生涯学び続ける基礎的な能力と知識活用能力を持つ「考える学生」および、深い専門性と俯瞰的思考力を備えた「知のプロフェッショナル」の育成を目標とした、千葉大学が掲げる教育・学習のためのコンセプトです。
実現へのアプローチ
このコンセプトを実現するためのアプローチとして、学習環境とコンテンツ提供環境を1つにまとめ、「空間」「コンテンツ」「人的サポート」という3つの機能を持たせました。議論や発表のための発話可能空間や、オンライン学習に対応した学習空間を備え、電子教材などのコンテンツ作成、学生の学びをサポートする人的支援を実施中です。
近年はサービス対象を大学院生にまで拡大し、デジタルリソースを活用した学術活動の支援や情報提供、英語論文執筆のための個別相談、大学院生のニーズを反映した各種セミナーの実施など、千葉大学における教育・学習支援機能のさらなる強化・拡充を図っています。
これらの機能は、2019年に増改築したアカデミック・リンク松戸(松戸分館)のデザインにも反映され、オンライン学習支援の充実とあわせて、物理的空間に縛られない教育・学習支援を実現しています。
日本の高等教育への貢献
アカデミック・リンク・センターは、2015年度より教育関係共同利用拠点として文部科学省の認定を受け、今後大学に必要な新たな専門職員である「教育・学習支援専門職」の確立と養成を行う「ALPS履修証明プログラム」を2016年度から運営しています。
「アカデミック・リンク」の推進により日本の高等教育全体の質の向上にも貢献していきます。