大栗 真宗 教授・清野 宏 卓越教授が日本学士院賞の受賞者に決定しました

2024年03月13日

研究・産学連携

受賞

2024年3月12日、日本学士院賞の授賞者決定があり、大栗 真宗 教授と清野 宏 卓越教授が受賞することが決定しました。

  • 大栗 真宗 教授

    大栗 真宗 教授

  • 清野 宏 卓越教授

    清野 宏 卓越教授

日本学士院賞は、明治43年に創設され、学術上特にすぐれた論文、著書その他の研究業績に対して授賞を行っています。

研究題目および授賞理由

大栗 真宗 
千葉大学先進科学センター 教授

研究題目:重力レンズ効果を用いた宇宙論研究の開拓推進(国立天文台 宮崎 聡 教授との共同受賞)
授賞理由:暗黒物質と暗黒エネルギーの実態の解明は21世紀の物理学・宇宙論の大きな課題となっています。大栗教授は、宮崎教授が主導して整備した暗黒物質分布の大規模な観測データから、暗黒物質の三次元空間分布とその数十億年にわたる時間進化を読み解き、求めた膨張宇宙モデルが宇宙背景放射の分析からの結果と一致しない可能性を指摘し、超新星爆発が重力レンズ効果で時間遅延のある複数像として発現する現象の予言や、重力レンズ効果が極大となる状況を用いた遠方の単独星の観測などの成果を挙げました。

清野 宏
千葉大学未来医療教育研究機構・医学部附属病院ヒト粘膜ワクチン学部門卓越教授、千葉大学未来粘膜ワクチン研究開発シナジー拠点長、 千葉大学災害治療学研究所感染症ワクチン開発研究部門長

研究題目:齲蝕ワクチンの研究から始まった粘膜免疫学の創生と経口・経鼻ワクチンの開発
授賞理由:歯周病とともに二大口腔疾患の一つであった齲蝕(うしょく)のワクチン研究を原点として、腸管と呼吸器の粘膜免疫機構の解明を先導し、粘膜免疫学の創生に貢献し、その研究を基盤として、粘膜ワクチンの開発を行いました。まず、既存ワクチンの冷蔵・冷凍保存・運搬というコールドチェーンの課題克服を目指し、医農異分野融合研究の下、コメのタンパク質貯蔵体に着目した常温備蓄用のコメ型経口ワクチンであるMucoRice開発を先導しました。加えて、呼吸器粘膜面(上気道粘膜上皮層)が負電荷であることに着目し、正電荷のアミノ基を付加したコレステロール・プルランを骨格とした経鼻ワクチンデリバリー体のカチオン化ナノゲル(cCHP)を医工連携で開発し、cCHPに肺炎球菌に対するタンパク抗原を封入したcCHP-PspAを作製し、肺炎発症抑制効果のある抗原特異的免疫の誘導に成功し、有用性を証明しました。

関連リンク

日本学士院ウェブサイト-日本学士院賞授賞の決定について
国立天文台ウェブサイト-宮﨑聡教授が日本学士院賞を受賞

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