グローバルプロミネント研究基幹 矢貝史樹教授が日本学術振興会賞の受賞者に決定

2021年01月06日

受賞

創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を顕彰する日本学術振興会賞の令和2(2020)年度受賞者として、グローバルプロミネント研究基幹の矢貝史樹教授が決定しました。

矢貝史樹教授
矢貝 史樹 教授

矢貝教授は、有期機能材料の機能を決定するのに重要である、分子の集合状態を緻密に制御する研究開発を行っています。特に、太さが10ナノメートル(1ナノメートル=10億分の1メートル)程度のヒモ状超分子材料(超分子ポリマー)から多様な形(トポロジー)を構築し、トポロジカル超分子ポリマーと呼ばれる前例のないナノ材料を創製するなど、独創的で顕著な業績を挙げており、材料化学の進歩に大きく貢献したとして、このたびの受賞となりました。

  • 研究成果

    左:トポロジカル超分子ポリマーが形成される様子(CG) 右:様々なトポロジカル超分子ポリマーの原子間力顕微鏡像

【受賞コメント】
この度は名誉ある賞をいただき、光栄です。卒業生を含めた研究室のメンバー、国内外の共同研究者の皆様、それから千葉大学において様々な面でサポートしてくださった執行部の先生方や教職員の皆様のおかげです。今回の受賞に至ったトポロジカル超分子ポリマーの研究は、10年ほど前に偶然発見した微小な「輪っか」構造が起点となっています。興味の赴くままに学生さんと楽しんで研究してきた結果、いつの間にか世界に誇れる当研究室自慢のナノ材料へと成長していました。現在研究室はとても活発で、メンバー一人一人が新現象・新材料を見つけるんだ!という気持ちで日々研究を楽しんでいます。そんな彼らの活躍を側から眺めていると、トポロジカル超分子ポリマーの発展はまだまだこれからが本領発揮だな、と感じています。私の役目は、そんな彼らが不自由なく研究と成果発表ができるように支えてあげ、分子の本質を共に考えながら論理的思考能力・高い成果発表スキル・研究者に必要な倫理観等を学んでもらい、優れた研究者・教育者を千葉大学から輩出することだと考えております。これからも教育研究に邁進していきますので、ご支援よろしくお願い申し上げます。

【参考】
日本学術振興会賞 第17回日本学術振興会賞の受賞者決定について(日本学術振興会ウェブサイト)