令和5年(2023年)新年の学長挨拶

2023年01月04日

大学からのお知らせ

新年明けまして、おめでとうございます。

皆様には良いお年を迎えられたことと思います。新年にあたり抱負と目標を述べてご挨拶といたします。

世界が大きく変動する中、『世界に冠たる千葉大学へ』の高い目標を掲げ、学長として「千葉大学ビジョン」を策定し、大学の進む方向を明確にして様々な取組を行って参りました。昨年11月には、DX(デジタル・トランスフォーメーション)をキーワードとする経営改革構想が文部科学省「国立大学経営改革促進事業」に採択され、研究、教育、経営の観点で先進的な取組を進めております。本年は、「千葉大学ビジョン」をより加速化させる1年にしていきたいと考えています。

ご存じのように、「千葉大学ビジョン」では『国際頭脳循環の中核として世界最先端の研究を展開』、『世界に学び世界に貢献する人材の育成』、『運営基盤を強化し、持続的な発展を導く大学経営』、『社会に大きく貢献する千葉大学』の4つを掲げています。

この場をお借りして、この4つの今年の目標を述べさせていただきます。

1つ目の『国際頭脳循環の中核として世界最先端の研究を展開』については、昨年4月に設置された国際高等研究基幹において、飛躍的な進展が期待される個人研究を支援する「研究支援プログラム」に20プログラムが採択されて研究が進んでいます。研究者のキャリアパスが見える「中堅・若手研究者の育成循環システム」の取組を開始し、まず政府の補助金を利用した150名を超える博士後期課程学生の経済的支援が本格稼働しています。学長裁量経費を利用して、博士課程を修了した若手研究者の支援として「全方位イノベーション創発センター付特任助教の採用」、中堅の研究者の支援としてテニュアトラック制度も始まっています。これらの新しい取組を通し、若手研究人材の育成から中堅、そして世界一流の研究者への一貫した支援を行い、戦略的に研究拠点の形成を進めます。

また、千葉大学が購入する約30,000平米の東京大学生産技術研究所跡地を活用し、「西千葉well-beingリサーチパーク構想」として本学が強みを有する研究分野を中心に、企業との共同研究等を加速化させ、世界トップレベルの国際的研究拠点を複数形成できるよう取組を進めていきます。

2つ目は主に教育が関係する『世界に学び世界に貢献する人材の育成』です。昨年3月に策定された「千葉大学次世代人材育成計画」を基に、高等教育センターが中心となって教育におけるDXの加速化とデータ駆動型の教育改革に取り組みます。

なお、新型コロナウイルスとの共存が続き、先行きが不透明な中、昨年より徐々に海外留学が再開しております。今年は、「ENGINE」プログラムを促進するために、大学全体で学生の留学を支援していきます。

3つ目の『運営基盤を強化し、持続的な発展を導く大学経営』では、研究力・教育力・経営力を更に一層強化すべく、「経営戦略基幹」を中心に、系統的にポートフォリオを作成し、学内に散在している経営判断に資する情報の一元管理及び可視化を実現させ、簡便かつ効果的な方法で学内資源の見直しや再配分が可能となるシステムを構築していきます。

4つ目の社会貢献に関する『社会に大きく貢献する千葉大学』については、特に広報力の強化に務めていきます。これまでも千葉大学ホームページに、学長が勧める千葉大学の取組や成果を紹介する「学長室のいち推し President's Choice」や、大学として社会に紹介したい研究内容や研究者を広報する「CHIBADAI NEXT」などを公開しております。今後も本学の様々な優れた取組を社会にわかりやすく伝えるとともに、社会の発展に大きく貢献し、千葉大学ブランドを高めていきます。

また、昨年8月に⽇本医療研究開発機構(AMED)「ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業」において、本学がシナジー拠点として採択されました。本学が国家プロジェクトの拠点として評価され、期待されていることを嬉しく思っています。本事業を進め、有効で安全・安心な粘膜ワクチンの実用化に向けた研究を進め、社会貢献を目指していきます。

以上、新年にあたり抱負と目標を述べさせていただきました。千葉大学を大いに発展させるべく、皆様と共にしっかりと進んでいきたいと思います。

本年もよろしくお願い申し上げます。

令和5年1月4日
千葉大学長 中山俊憲