令和3年度千葉大学卒業式、大学院修了式・学位記授与式 答辞

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本日は私たち卒業生、修了生のために、このような式典を挙行していただき、誠にありがとうございます。また、ご多忙の中、ご出席くださいました、中山学長をはじめ、諸先生方に卒業生、修了生一同心より御礼申し上げます。特に今年はコロナ禍で先の予測もつかない状況であるにも関わらず、このような場を与えていただき深く感謝しております。

修了の時を迎え、私たち一人一人の胸中にはこれまでの苦労や、楽しかった出来事など様々な記憶や思いがこみ上げてきています。また、私は本日博士号を取得できたことを大変誇りに思います。

私は本大学に8年半の間在籍し、都市環境システムに関わる様々な学問分野の中で、無機化学、物理化学、化学工学を中心に学ばせていただきました。またコロナ以前にはなりますが、2019年にはスペインで開催された国際学会に参加し、外国の研究者と議論をする経験もできました。

本学に入学した当初は大学院に進学して勉学に励もうという志すら抱いていませんでした。ましてや博士後期課程に進学し、博士号を取得するなどということは夢にも思いませんでした。そのような中で、ここまで研究活動を続けてこられた要因は私の中で二つあります。一つは自分の強みや専門性を高めたいという思いでした。学部生の頃なんとなく日頃の授業に臨んでいた私は、インターンシップを機に自分の勉学に対する意欲、専門性の低さを痛感しました。このままでは何の強みも無く社会に出ていくことになってしまうという不安感があり、ここからさらに勉学に励もうと大学院への進学を決意しました。そして二つ目は大好きな研究を軸に生きていこうという思いでした。私は、自分のしている研究をとても楽しいと思えるようになり、さらに深く追求していきたいという知的好奇心が勝り、博士課程への進学を決意するに至りました。

そして、これまでの経験で私が気づいたことは二つあります。一つ目は好きなこと、興味のあることの追求は楽しいということです。とても基本的なことではありますが、同時に大変重要であるということを感じています。「好きこそものの上手なれ」ではありませんが、幸いにも私は研究に夢中になれたので、苦しいと思うことはありませんでした。在学生はもちろんのこと、卒業生・修了生の皆さんにも、好きなことを追求すること、探求し続けることをやめないでほしいと願います。二つ目は自分が非常に恵まれているということです。自分の状況がいかに恵まれているかに気づき、それに感謝することで努力を続けてこられました。こうしたことに気づければ、行動も良い方向に変わっていくと思います。今後は、これらの経験を通して培ってきた研究遂行能力を、社会に還元すべく精進していく所存です。

最後になりますが、これまでご指導してくださった先生方、大学生活を支援してくださった職員の方々、研究をともに行った研究室の皆様、そして、家族にこの場を借りて心から感謝申し上げます。特に指導教員の劉先生の下で研究を続けられたからこそ、今の自分があります。また両親の存在も大きかったです。私が何の心配も無く研究に専念できたのは両親のおかげです。

皆様本当にありがとうございました。千葉大学のさらなる発展と、皆様方のさらなるご活躍を心よりご祈念申し上げ、答辞とさせていただきます。

令和3年9月28日
令和3年度卒業生・修了生代表
大学院融合理工学府都市環境システムコース
黒沢 諒