新薬開発に役立つ複雑な化合物の1工程合成に成功〜ランタノイドが拓く創薬と環境の未来〜

2024年06月24日

研究・産学連携

 千葉大学国際高等研究基幹・大学院薬学研究院の原田真至准教授と、青山学院大学理工学部の長谷川美貴教授の共同研究グループは、「ランタノイド」注1)を用いた触媒により、医薬品の開発に重要な複雑な構造を持つ化合物をたった1工程で高精度に合成することに成功しました。本研究の成果によって、医薬品の有効成分を効率的に合成できるようになることが期待されます。

 本研究成果は、2024年5月22日に、アメリカ化学会の学術誌the Journal of Organic Chemistryで公開されました。

注1)ランタノイド:レアアース(希土類元素)に含まれる15元素の総称。磁性や発光などのユニークな性質を持ち、様々な分野で革新をもたらす可能性を秘めている。近年、日本の排他的経済水域の海底に埋蔵されていることがわかり、日本の資源戦略において重要な役割を果たすことが期待されている。

  • 図1:ディールス・アルダー反応で実現する高純度カルバゾール合成計画