可視光エネルギーでサマリウムを還元する配位子開発に成功-希土類元素(レアアース)であるサマリウムの使用量を100分の1以下に削減-

2024年07月29日

研究・産学連携

 千葉大学国際高等研究基幹の栗原崇人特任助教、大学院薬学研究院の根本哲宏教授らの研究グループは、可視光エネルギーを利用して希土類元素(レアアース)(注1)であるサマリウムを還元(注2)するための新技術として、青色の可視光を効率的に吸収する可視光アンテナを組み込んだ「可視光アンテナ配位子(注3)」の開発に成功しました。
 本研究成果により、可視光エネルギーと触媒量のサマリウムを用いて様々な還元反応を行うことができるようになるため、自然環境に配慮した合成法の発展や、サマリウムの新たな反応性の発見が期待されます。
 この研究成果は、2024年7月20日に米国化学雑誌 Journal of the American Chemical Society オンライン版に公開されました。

注1)希土類元素(レアアース):周期表の3族に属するスカンジウムとイットリウム、ランタノイドの総称のこと。
注2)還元:電子を得ること。反対に、電子を失うことを酸化という。
注3)配位子:原子やイオンの周りに原子や分子、イオンが配列することを配位といい、金属中心に対して配位するイオンや分子のことを配位子という。