花粉症の唯一の体質改善法「舌下免疫療法」の作用メカニズムを解明

2022年09月14日

研究・産学連携

千葉大学大学院医学研究院 耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学の研究グループ(花澤豊行教授、飯沼智久助教ら)が免疫発生学(中山俊憲前教授(現 千葉大学長)、平原潔教授、木内政宏助教ら)と共同で取り組んでいる、スギ花粉症に対する舌下免疫療法の作用メカニズムの解明についての研究成果が、国際医学雑誌「Journal of Allergy and Clinical Immunology」(2022年7月19日付)に掲載されました。
本論文は、当該雑誌の掲載号特集であるEditorʼs choiceに選ばれました。

1. 舌下免疫療法(Sublingual immunotherapy: SLIT)はスギ花粉症の体質改善作用が期待される唯一の治療法であるが、作用メカニズムは不明であった。
2. 舌下免疫療法を行った被検者の採血検体を使用し、細胞一つ一つを詳細に解析する「シングルセル解析」を行った。
3. 舌下免疫療法を行うと、アレルギーを引き起こす病原性記憶T細胞の機能が抑えられることを見出した。
4. 舌下免疫療法のバイオマーカーとして利用可能なマスキュリンという新たな分子を確認し、今後の舌下免疫療法を改良する際や治療継続判断などに同分子が利用できる可能性を見出した。