4色の光スキルミオンを発生できるファイバーレーザー装置の開発に成功!
―自由空間光通信や超解像顕微鏡実現に向けた第一歩―

2025年01月07日

研究・産学連携

 千葉大学分子キラリティー研究センターの尾松孝茂教授、同センター(国際高等研究基幹兼任)のSrinivasa Rao Allam特任講師、同大学大学院融合理工学府博士後期課程1年の米田悠人氏、サウスハンプトン大学のWilliam R. Kerridge‐Johns博士、千葉工業大学の藤本靖教授らの共同研究グループは、緑、オレンジ、赤、深赤の4色で光スキルミオン注1)を発生できる小型ファイバーレーザーを開発しました。レーザー共振器の内部に配置されたレンズを共振器の光軸方向に沿って移動させるだけで、レーザーの色(波長)を切り替えることができます(図1)。
 この成果は、光スキルミオンのような光の準粒子を用いた微細加工や超解像顕微鏡開発における可能性を示唆し、物理学や材料科学における新たな知見をもたらします。
 本研究成果は、2024年11月12日(現地時間)に学術誌Laser&Photonics Reviewsにてオンライン掲載されました。

注1)光スキルミオン:光の偏光を示すストークスベクトルを2次元平面に投影した時にできる、渦構造の偏光空間分布を持つ光。

  • 光スキルミオンレーザー装置

    図1 光スキルミオンレーザー装置
    光スキルミオンをレーザー共振器から直接発生できるレーザー装置の概念図。
    PBS:偏光結合素子、HWP:半波長板、QWP:1/4波長板、P:偏光板