最小羽毛昆虫は羽毛状の翅(はね)でどう飛ぶのか? 体長約0.4mmの昆虫に潜む究極の飛行デザイン

2022年01月20日

研究・産学連携

 千葉大学 大学院工学研究院 劉浩教授と東京工業大学 学術国際情報センター 大西領准教授の参画する国際研究グループは、これまで謎に包まれていた、体長わずか395μm(マイクロメートル:1mmの1,000分の1)の羽毛甲虫(図:学名:Paratuposa placentis)の飛行性能を解明しました。この昆虫は鞘翅(しょうし:硬いはね)と羽毛状の翅とをもち、3倍の大きさの昆虫アザミウマと同速度・同加速度で飛行しますが、そのメカニズムはこれまで未解明のままでした。
研究グループは今回、この羽毛昆虫が膜状の翅と比べて8割も軽い羽毛状の翅により、独特な運動で抗力を巧みに利用して飛行していることを明らかにしました。
この成果は、国際科学雑誌「Nature」にて、日本時間の2022年1月20日に公開されました。

  • 図:体長395μmの最も小さな羽毛甲虫(学名:Paratuposa placentis)(Farisenkov et al. (2022)より)。

タイトル:Novel flight style and light wings boost flight performance of tiny beetles
著者:Sergey E. Farisenkov, Dmitry Kolomenskiy, Pyotr N. Petrov, Nadejda A. Lapina, Thomas Engels, Fritz-Olaf Lehmann, Ryo Onishi, Hao Liu, Alexey A. Polilov
掲載誌:Nature
DOI:https://doi.org/10.1038/s41586-021-04303-7