静岡県熱海市伊豆山地区の土砂災害現場の盛土に含まれる軟質泥岩礫

2022年07月29日

研究・産学連携

静岡大学、千葉大学、山形大学、早稲田大学、名城大学、産業技術総合研究所の研究グループが、2021年7月3日に静岡県熱海市伊豆山地区の逢初川沿いで発生した土砂災害現場の盛土に含まれる軟質泥岩礫の古生物学的・堆積学的分析を行い、以下の結果を得ました。
・土砂災害は、逢初川源頭部にあった盛土の崩落により発生した土石流によるもので、源頭部の未崩落の黒色の土砂から、爪でも削れる固さの泥岩礫を複数発見しました。
・泥岩礫は、花粉化石や海に生息する珪藻化石と放散虫化石を含みます。
・それらの化石の種類から、泥岩礫は300万~90万年前の沖合で堆積した泥質物からなる泥岩層に由来することが分かりました。
・その泥岩層は、神奈川県西部では、大磯丘陵南部と相模原市の相模川周辺に分布する泥岩層が考えられ、その周辺に黒色の土砂の採取地があります。
・この黒色の土砂の採取地に残された土砂を採取し、分析することで、盛土崩落の原因究明に不可欠な盛土の力学的性質の情報を得ることができます。

本研究成果は「第四紀研究」に受理されました。

  • 逢初川崩壊箇所付近の縦断面図(縦横比1:1)