iPS細胞由来巨核球と血小板が創傷治癒を促進~既存治療の欠点を解消する新規製剤の開発に期待~
2024年11月26日
研究・産学連携
千葉大学大学院医学研究院の小坂健太朗特任講師、三川信之教授らの研究グループは、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の江藤浩之教授(千葉大学ヒト免疫疾患治療研究・開発センター特任教授、前千葉大学大学院医学研究院教授)らの研究グループと共同で、ヒトiPS細胞注1)から誘導した血小板産生細胞である巨核球と血小板の混合製剤が糖尿病マウスの創傷治癒を促進することを示しました。さらに、フリーズドライ化によってその効果を長期間維持できることを明らかにしました。
この成果により、患者さん自身の血小板を用いた従来の治療法と比べて、負担が少なく安定して高い効果を発揮する難治性潰瘍注2)の治療薬開発が期待されます。
本研究成果は、2024年10月14日に、学術誌Stem Cell Research & Therapyでオンライン公開されました。
注1) iPS細胞:さまざまな細胞に分化する能力を持つ多能性幹細胞の一種。皮膚や血液などの体の細胞から作製することができる。
注2) 難治性潰瘍:皮膚が深部まで欠損した状態を潰瘍と呼び、何らかの原因により治癒が通常どおりに進行せず数週間~数ヶ月以上遷延した場合を難治性潰瘍と呼ぶ。