光渦の照射による金ナノインクの超精細パターニングに成功!
-次世代プリンタブルエレクトロニクス技術の確立-

2024年03月13日

研究・産学連携

千葉大学分子キラリティー研究センターの尾松孝茂教授、宮本克彦准教授、青木伸之教授、千葉大学大学院融合理工学府の魏榕さん、川口晴生さん、佐藤魁哉さん、甲斐清香さん、北海道大学大学院工学研究院の森田隆二教授、山根啓作准教授、大阪公立大学大学院理学研究科の柚山健一講師、大阪大学大学院基礎工学研究科の川野聡恭教授らの共同研究グループは、金ナノ微粒子が分散する懸濁液(金ナノインク)に光渦を照射することで、従来のインクジェット技術の限界を凌駕する微小なドットが印刷できることを実証しました。さらに印刷されたドットの内部は金ナノ微粒子が高濃度に充填されていることを発見しました。この結果は熱処理しなくても高い電気伝導を示す高精細な金ナノインク印刷が可能であることを示唆します。
この印刷技術は、半導体インク材料や他の金属インク材料にも適応できるため、次世代プリンタブルエレクトロニクス技術の基盤技術としてフレキシブル回路の量産技術などへ発展することが期待されます。

本研究成果は、2024年3月11日(現地時間)に学術誌APL photonicsにてオンライン掲載されました。

  • 上:光渦レーザー誘起前方転写法のイメージ図 下:光渦リフトによる転写ドット

    上:光渦レーザー誘起前方転写法のイメージ図 下:光渦リフトによる転写ドット(光渦を用いた場合とガウシアンビームを用いた場合の違い)