がんを支える遺伝子発現を調節する因子を新たに発見―がんの新規創薬標的部位の同定―

2024年07月29日

研究・産学連携

 千葉大学大学院医学研究院の星居孝之准教授、金田篤志教授らの研究チームは、急性骨髄性白血病細胞の中で働く遺伝子発現の新しい調節因子を発見しました。この新たに見いだしたDNA修復制御因子BOD1Lは、ヒストンメチル化酵素であるSETD1Aを直接的に制御する因子として作用していることが明らかとなりました。また、この2つの遺伝子の相互作用の破壊により、白血病細胞が死滅することも確認しました。さらに詳しい解析により、BOD1LはSETD1Aの古典的な役割であるヒストンメチル化機能とは異なる遺伝子発現調節機構を司ることによって、白血病細胞の生存に必須となることが明らかとなりました。このことからBOD1Lは、がんの新たな治療標的になると考えられます。
 本研究成果は、科学誌Nucleic Acids Researchにて2024年7月12日(日本時間)にオンライン公開されました。