空間偏光構造を持つ高次光子の量子情報を電子スピンへ転写 大容量の量子情報通信への期待

2024年10月24日

研究・産学連携

 千葉大学大学院工学研究院の森田健教授、宮本克彦教授、尾松孝茂教授、産業技術総合研究所の揖場聡研究員、東北大学の石原淳助教、大阪公立大学の余越伸彦准教授らの研究チームは、空間偏光構造を持つ光の粒(光子)の量子力学的な情報を、半導体中の電子の空間スピン構造へ転写することに成功しました。空間偏光構造を持つ光子は、スピン角運動量と軌道角運動量に関する量子情報を持つ高次元光子で、原理上1光子あたり無限の情報をのせて伝送することが可能です。高次元光子の量子情報を、記録・操作を得意とする固体中の電子に転写する本研究成果は、光の角運動量の可能性を格段に広げた高次元量子インターフェースの実現につながるもので、将来の大容量の量子情報通信に貢献することが期待されます。

 本研究成果は、2024年8月8日に米国科学学術誌Optica Quantumで公開されました。

  • 図1