生後1カ月の腸内細菌が食物アレルゲン感作に関連
―日本の母子の腸内細菌叢データから解明―

2024年12月17日

研究・産学連携

 理化学研究所(理研)生命医科学研究センター粘膜システム研究チームの大野博司チームリーダー、柴田涼平客員研究員、千葉大学予防医学センターの下条直樹特任教授らの共同研究グループは、生後1カ月の子どもにおけるビフィドバクテリウム属優位の腸内細菌叢(さいきんそう)パターン(エンテロタイプ)が、将来の低い食物アレルゲン感作(かんさ)および食物アレルギーの低い発症リスクに関連することを明らかにしました。
 本研究成果は、食物アレルゲン感作および食物アレルギーの発症メカニズムにおける腸内細菌の役割の解明や、腸内細菌を標的とした予防法の開発に貢献することが期待されます。
 今回、共同研究グループは、日本における二つの出生コホート研究[5]の腸内細菌叢データを使って、生後1カ月の時点でビフィドバクテリウム属が優位で最も成熟したエンテロタイプを持っていることが、将来の低い卵白アレルゲン感作率および食物アレルギーの発症率と関連することを明らかにしました。
 本研究は、科学雑誌『Journal of Allergy and Clinical Immunology』オンライン版(12月16日付:日本時間12月16日)に掲載されました。

  • 生後1カ月のエンテロタイプの特徴

    生後1カ月のエンテロタイプの特徴