山麓から高山生態系への資源の供給
山麓から風や飛行によって運ばれた昆虫が、高山性鳥類の重要な餌資源になる

2025年02月27日

研究・産学連携

 千葉⼤学⼤学院理学研究院の村上正志教授と融合理⼯学府博士後期課程3年の飯島大智氏(研究当時、現 筑波大学生命環境系 助教/筆頭著者)は、長野県と岐阜県のあいだに位置する乗鞍岳(標高3,026m)をモデルの生態系として、亜高山帯や山地帯といった山麓から、高山帯(約2,500m以上)に運ばれる節足動物の高山性鳥類の餌資源としての重要性を検証しました。その結果、山麓から運ばれた節足動物は、高山性鳥類が繁殖初期に利用する主要な餌資源であることが明らかになりました。本研究の成果は、高山帯の生態系の成り立ちの理解に貢献するとともに、将来の保全策の策定に新たな視点を加えることが期待されます。
 
 本研究成果は、国際学術雑誌Ecologyに2025年2月24日に掲載されました。

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