早期胃癌の異所性異時性再発の原因の一端を解明
ピロリ菌除菌後の背景胃粘膜の炎症の継続が関与

2023年12月12日

研究・産学連携

早期胃癌に対して内視鏡的治療後にピロリ菌除菌を行っても、異所性異時性の再発を来すことがありますが、このメカニズムは明らかにされていません。今回、千葉大学大学院医学研究院 長島有輝特任助教、中川良特任准教授、加藤直也教授、千葉大学医学部附属病院 沖元謙一郎助教 他17名の研究グループは、胃癌を再発した患者の背景胃粘膜の内視鏡所見と遺伝子発現の統合的な解析を行い、背景粘膜のIFN-α等の炎症に関わるパスウェイの亢進が、早期胃癌治療後の異所性異時性再発に関与していることを明らかにしました。本研究成果により、早期胃癌内視鏡治療後かつピロリ菌除菌後の患者における、より適正なフォロー方法や、再発予防の創薬につながることが期待されます。
本成果は、2023年11月11日(現地時間)に国際学術誌Scientific Reportsに掲載されました。

  • 背景粘膜から見た胃癌再発リスク解析の概要図