四季を通じて昆⾍が進化する証拠を発⾒
形態や⽣理的特徴に影響を与える環境要因を徹底的に排除することで進化を検出

2023年12月20日

研究・産学連携

 千葉大学大学院理学研究院の上野尚久研究員(日本学術振興会特別研究員(PD))と同理学部の竹之下彰子学部生(当時)、同大学院融合理工学府博士後期課程1年の浜道凱也大学院生、かずさDNA研究所の佐藤光彦研究員、千葉大学大学院理学研究院の高橋佑磨准教授の共同研究グループは、キハダショウジョウバエ(1世代の長さが数週間)を対象に、遺伝的変異に由来する表現型の変化を適切に評価できる室内実験を実施することで、季節変化に対する表現型進化の存在を検証しました。

発表のポイント
・季節による環境変化は、生物が経験する環境変化の中でもっとも急速なものの一つである。
・一方で、生物が、環境の季節変化に対応して迅速に進化をしているかは、あまりわかっていない。
・環境要因の影響を排除し、進化(=遺伝的変化)の検出を試みたところ、冬を超えた直後の「春世代」と
 夏を超えた直後の「秋世代」の間での高温耐性と体サイズが進化していることを示された。
・生物が季節による環境変化に対し、超高速な進化を起こしていることを示す貴重な証拠となった。

 本研究は国際学術誌Scientific Reportsに2023年12月19日に掲載されました。

  • ショウジョウバエはたった半年で進化していた