17世紀のマウンダー極小期直前の太陽周期の変遷を解明~数十年規模の太陽活動低下のプロセスに重要な示唆~

2021年03月10日

研究・産学連携

武蔵野美術大学教養文化・学芸員課程研究室の宮原ひろ子准教授、山形大学学術研究院の門叶冬樹教授(山形大学高感度加速器質量分析センター長)、千葉大学大学院理学研究院の堀田英之准教授、弘前大学大学院理工学研究科の堀内一穂助教らの研究グループは、樹木年輪に含まれる炭素14を世界最高精度で分析し、17世紀の中頃から70年間にわたって発生した太陽活動の低下の直前に、通常は約11年の周期を示す太陽活動周期が最長で16年に延びていたこと、また、活動の低下が40年程度の準備期間を経てゆるやかに発生していたことを明らかにしました。
本研究成果は、英科学誌「Scientific Reports」に掲載されました。

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    (a)赤色で示されたデータが本研究で取得された炭素14の高精度データ。灰色は先行研究により取得されていたデータ。(b)炭素14のデータと炭素循環ボックスモデルを用いた計算により復元された、地球に飛来した銀河宇宙線量の変動。(c)赤線が、bとともに復元された太陽黒点数の変動。破線は望遠鏡により観測された黒点の記録を収集することにより再構築された黒点数の変動(Svalgaard & Schatten, Sol. Phys., 2016)。