女性高齢者のうつリスクに関わる新たな環境要因が明らかにー小学校から離れた距離に住む高齢女性者は1.07倍うつが多いー

2021年04月16日

研究・産学連携

 千葉大学予防医学センターの西田恵客員研究員、花里真道准教授、古賀千絵特任研究員、近藤克則教授からなる研究チームは、65歳以上の高齢者131,871人を対象に、居住地から最寄りの小学校までの距離とうつ(うつ傾向含む)との関連を分析しました。
その結果
●男性は、居住地から最寄りの小学校までの距離とうつには関連がみられない
●女性は、居住地から最寄りの小学校までの距離が400m以内に住んでいる参加者と比較して、距離が400m以上800m未満の参加者は1.06倍、800m以上である参加者は1.07倍うつのリスクが高い
ことがわかりました。

 このことから、女性高齢者にとって小学校の近くに居住することは、メンタルヘルスに良い影響があることが示唆されました。小学校を活用した地域コミュニティの活動拠点づくりや居住環境のデザインを通じた、健康まちづくりの推進が期待されます。

  • 居住地から最寄りの小学校までの距離とうつのリスク 横軸は、分析に用いた居住地から最寄りの小学校までの距離のカテゴリ。縦軸は、400m未満に居住する高齢者のうつリスクを1としたとき、それぞれのカテゴリに居住する高齢者のうつリスク。