コメで作った飲むワクチン「ムコライス」の実現に向けて大きな一歩-ヒトでの安全性と免疫原性が確認されました-

2021年06月28日

研究・産学連携

東京大学医科学研究所 東京大学特任教授部門 粘膜免疫学部門/千葉大学国際粘膜免疫・アレルギー治療学拠点の清野宏特任教授、東京大学医科学研究所 附属国際粘膜ワクチン開発研究センターの幸義和特任研究員、附属病院アレルギー免疫科の田中廣壽教授、先端医療開発推進分野の長村文孝教授、健康医療インテリジェンス分野の井元清哉教授、および大阪市立大学大学院医学研究科 ゲノム免疫学の植松智教授(東京大学医科学研究所 附属国際粘膜ワクチン研究開発センター 自然免疫制御分野 特任教授 兼務)らのグループは、コレラ毒素(CT)のBサブユニット(CTB)をワクチン抗原として、イネ種子に発現させたコメ型経口ワクチン「ムコライス」(MucoRice-CTB、IMSUT-MR1501)の健康成人を対象とした医師主導第I相試験において有効性(免疫原性)と安全性、忍容性を確認しました。
「ムコライス」(MucoRice-CTB)はCTによる下痢症だけではなく、旅行者下痢症の原因の一つである毒素原性大腸菌由来易熱性毒素(LT)による下痢症にも効果がある可能性が示され、注射器・針と冷蔵保存不要の世界的規模の安価なワクチンを供給できる可能性があります。
本研究成果は2021年6月25日(英国夏時間)、英国科学雑誌「The Lancet Microbe」オンライン版で公開されました。

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    コメで作った飲むワクチン「ムコライス」(MucoRice-CTB)のヒトでの安全性と免疫原性を確認