植物感染性線虫の誘引物質の同定に成功 ―年間数十兆円の農作物被害がある線虫のトラップ剤開発にはずみ―

2021年07月05日

研究・産学連携

千葉大学大学院薬学研究院の石川勇人教授、熊本大学大学院先端科学研究部附属生物環境農学国際研究センターの澤進一郎センター長、Allen Yi-Lun Tsai助教、埼玉大学大学院理工学研究科の円谷陽一教授、小竹敬久教授、東京農業大学生命科学部の伊藤晋作准教授、琉球大学農学部の小西照子教授の研究グループは、農作物に被害を与えるサツマイモネコブセンチュウの誘引物質の精製・単離・同定に、世界で初めて成功しました。
本研究で線虫誘引物質を明らかにしたことにより、植物と線虫の相互作用の研究だけでなく、線虫トラップ剤の開発という農業的な利用にも貢献できることが期待されます。
本研究成果は、7月3日(日本時間)に科学雑誌「Science Advances」に論文が掲載されました。

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    図 亜麻種子の線虫誘引活性
    A;亜麻種子に誘引される小さな多量の線虫
    BC;(上段)種子の浸出液(0時間と16時間)を用いた線虫誘引試験
    16時間浸出したときのみ線虫誘引活性(白いコロニー)が見られる。
    (下段)種子の細胞壁成分の染色試験 16時間浸出したときのみ、多量の細胞壁成分が放出されている。