突然変異率の上昇は植物の多様化の土台になる! 激流で生き抜く水生植物カワゴケソウ科の進化の基盤

2022年01月21日

研究・産学連携

 千葉大学大学院理学研究院の片山なつ研究員(日本学術振興会特別研究員:RPD)は、金沢大学疾患モデル総合研究センターの西山智明助教、大阪市立大学大学院理学研究科(附属植物園)の厚井聡准教授らと共同で、河川の激流という過酷な環境へ適応した植物である水生植物カワゴケソウ科において、突然変異が生じるスピード(突然変異率)が、激流環境に進出したタイミング(科の起源の時期)と、その後に特殊形態を獲得したタイミング(科内で多様化が始まった時期)で上昇していたことを明らかにしました。
本研究で初めて、野生の植物の歴史の中で、突然変異率の上昇が植物の重要な進化イベントと関連することが具体的に示されました 。
この研究成果は、シュプリンガー・ネイチャー社発行のオープンアクセス誌 "Communications Biology" に2022年1月20日に掲載されました。

  • カワゴケソウ科植物の生育環境と形態 左:生育環境。激流中に見える緑色のものがカワゴケソウ科植物。中央:岩の上を這う植物体。根から直接シュートが生じている。右:一般的な被子植物とカワゴケソウ科植物の体制の比較。