顕微鏡で視える!分子が自ら連なる五つの環~世界初 数十ナノメートルに達するポリカテナンの合成に成功~

2020年07月16日

研究・産学連携

千葉大学グローバルプロミネント研究基幹の矢貝史樹 教授を中心とする国際共同研究チームは、世界で初めて数万個の小分子が自己集合することで、リング状構造が鎖のように連なったポリカテナンを合成し、さらに、その幾何学構造を原子間力顕微鏡(AFM)で可視化することに成功しました。
これまでにも、リング状分子が鎖状に繋がったポリカテナンは知られていましたが、分子の自己集合現象を用いてサイズが数百ナノメートルに達する顕微鏡で視えるサイズの大きなポリカテナンの合成を実現した例は初めてのことです。
この成果は、ナノメートル単位の複雑な形(トポロジー)を造る技術の第一歩であり、このように緻密に構造制御された分子の集合体は、未だ知られていない特異な性質を示すことが期待されます。
本研究の成果は、「Nature」にて2020年7月15日(水)に公開されました。

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    本研究によって世界で初めて可視化に成功した五輪カテナンの原子間力顕微鏡(AFM)像