地球に優しいキラルカルベン発生法を開発 安定なベンゼンの不斉脱芳香族化を実現!

2021年01月05日

研究・産学連携

千葉大学大学院薬学研究院 根本哲宏 教授及び原田慎吾 講師の研究グループは、独自の触媒技術と理論解析法を利活用したキラル銀カルベン発生法を確立しました。それらを用いて活性化されていないベンゼン類の不斉脱芳香族化反応の開発に世界で初めて成功しました。これにより原油から容易に誘導できる原料より、医薬候補分子が迅速に合成できます。
本手法はこれまで合成に必要としていた毒性の高いジアゾ化合物を用いず、合成プロセスの簡略化によるコスト削減もできることから、環境に優しい有機合成化学の草分け的研究となることが期待されます。
本研究成果は2020年12月31日に米国化学会誌Journal of the American Chemical Societyオンライン版に速報誌として公開されました。

  • 開発したエナンチオ選択的脱芳香族化反応の概念図
    活性化されていないベンゼン類からジアゾ化合物を用いずに不斉脱芳香族化が可能