感じられる時間の長さは、体験した出来事の数ではなく出来事を体験するための認知的負荷で決まっていた

2021年01月18日

研究・産学連携

大学院人文科学研究院の一川 誠 教授は、三好 正剛 氏(大学院人文社会科学研究科博士前期課程 2018年修了)とともに、次々と提示される画像の中からターゲットとなる画像をすべて検出できた場合と見落としがあった場合などを比較し、感じられる時間の長さと実際の時間の長さとの関係を調べました。その結果、感じられる時間は提示したターゲットの数ではなく、検出の成否によって変動することが実証されました。
このことから、感じられる時間は、体験された出来事の数ではなく、出来事を「体験した」と認識するために必要な認知的負荷※が大きいほど長くなることが示され、このような認知的要因が感じられる時間の長さに及ぼす影響は、従来考えられていたよりも強いことが分かりました。
※ 課題遂行のために費やされる認知的努力(速く動く対象を目で追う際に集中するなど)のこと。

本研究成果は2020年12月26日 (日本時間)にi-Perception、Vol.11、No.6でオンライン公開されました。

  • 実験の流れ。実験参加者は、アルファベットもしくは数字が画面に約0.1秒ずつ連続で表示されるフレーム(視覚刺激)を見て、見つけた数字(ターゲット)を答える。