膵臓が細菌感染から腸を守る新たな機構を発見ー膵臓が腸の粘膜の第一線のバリアとして働くタンパク質を分泌ー

2021年02月17日

研究・産学連携

千葉大学大学院医学研究院イノベーション医学研究領域の倉島洋介准教授(東京大学医科学研究所臨床ワクチン学分野特任准教授)と東京大学医科学研究所粘膜免疫学部門の清野宏特任教授(カリフォルニア大学サンディエゴ校教授、千葉大学大学院医学研究院特任教授)らの研究グループは、食物の消化を担う臓器として知られる「膵(すい)臓」が細菌感染から腸管を守る働きを持つことを初めて明らかにしました。
膵臓から大量に分泌される「Glycoprotein2:GP2」と呼ばれる糖タンパクが腸内細菌の表面(線毛)を捉えることで、組織中への移行を抑えていることを見出しました。この膵臓タンパク質の分泌が損なわれると、腸内細菌の組織中や血中への移行が起こりやすくなり、炎症性腸疾患の重症化につながることを発見しました。
この成果はNature Communicationsに2月16日に掲載されました。

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    膵臓から分泌されるGP2が細菌感染から体を防御する仕組み