医薬品有効成分の新しい結晶化経路を発見!~医薬品開発における結晶化制御への新しい知見~

2022年07月28日

研究・産学連携

千葉大学大学院薬学研究院の陳 子喬 研究員、東 顕二郎 准教授、植田 圭祐 助教、森部 久仁一 教授の研究グループは、医薬品有効成分が"Oriented attachment"と呼ばれる経路で結晶化することを見出しました。この結晶化経路は無機化合物では報告例がありますが、有機化合物では初めてとなります。
本研究では、医薬品有効成分のナノ粒子懸濁液を一定時間保存し、ナノ粒子の形態変化を経時的に観察することで、新しい結晶化経路を確認することに成功しました。現在承認されている医薬品有効成分のほとんどは有機化合物であり、医薬品開発においてその結晶化制御は不可欠です。本研究で得られた知見は、新しい医薬品の創生に大きく貢献することが期待されます。  
本研究成果に関する論文は、2022年7月13日に米国化学会誌Nano Lettersにて出版され、Supplementary Coverに選出されました。

  • シクロスポリンAのナノ非晶質からナノ結晶へのOriented attachment

  • Nano LettersのSupplementary Coverに選出