細胞又は組織の電気特性を活かしたがんの早期診断技術の開発へ前進~生体組織電気特性分布の高精度推定を可能とする磁気共鳴電気特性トモグラフィ~

2022年07月01日

研究・産学連携

千葉大学フロンティア医工学センターの兪文偉教授、大学院博士後期課程研究員Adan J. Garcia Inda、及びSingapore University of Technology and DesignのProf. Huang Shaoying、国立研究開発法人産業技術総合研究所 デジタルアーキテクチャ研究センターのNevrez Imamoglu主任研究員らの研究チームは、磁気共鳴電気特性トモグラフィ(Magnetic Resonance Electrical Property Tomography: MREPT)と機械学習(AI)を用いたモデルの統合により、高いノイズ耐性と精度で人体の組織が持つ電気特性(誘電率・導電率の分布など)を推定する技術を開発しました。
物理解析モデルと機械学習の融合により、これまで観察や経験、試行錯誤の必要性が障壁となっていたMREPTの課題を解決し、医療応用に向けた大きな前進となりました。
今後、がん化組織と非がん化組織間の電気特性のコントラストを用いた医療診断が可能となれば、がんの早期診断の実現に貢献できることが期待されます。
本研究成果は、2022年5月9日に、学術誌IEEE Transactions on Image Processing, Vol.31で公開されました。

  • 物理結合神経回路網MREPT (PCNN-MREPT) のフローチャート