金属を含まない金色調・ブロンズ調の水性塗料を開発 -人や環境に優しい金属調加飾・印刷の実現へ-

2020年10月23日

研究・産学連携

大学院工学研究院の星野勝義教授と工学部の立木美奈子技術職員らの研究グループは、チオフェン重合体誘導体を用いることによって、金属を使わず、使う人や地球環境にも優しい水溶性の金色調・ブロンズ調の塗料を開発することに成功しました。

市販されている金属光沢調塗料・インキは、金属の微粉末を含むため、塗料中で金属が沈殿する、金属腐食が生じる、塗工膜が重い、インクジェットプリンターのノズルに詰まるなどの問題点を抱えていました。そこで、星野教授らのグループは近年、チオフェン重合体から成る初の "金属を含まない金色調光沢塗料" を開発していました。しかし、これまでに開発されていた塗料・インキの溶剤は人や環境に優しいものではありませんでした。
今回開発の塗料・インキは水を溶剤とするものであり、そうした問題が解決されました。今後、塗装・印刷業界だけではなく、有機電子材料の分野にも展開できるものと期待されています。

本研究成果は2020年9月18日(米国時間)に「ACS Omega」に掲載されました。また同誌の表紙に採用されるとともに、10月14日(米国時間)に米国化学会からプレスリリースされました。

  • 本研究開発の材料とその塗料・インキおよび塗工膜の画像