第3回 移民難民スタディーズ研究会 案内
日本企業と外国人労働者
日時:9月24日(木) 10:00~12:00
オンラインZoom 会議
■「多文化共生研究と企業文化論の接点探求」
横尾陽道(大学院社会科学研究院/グローバル関係融合研究センター)
概要
本報告は、横尾がこれまで取り組んできた戦略的マネジメントをベースとする「企業文化論」と、本プロジェクトの主要な焦点の一つである「多文化共生(日本企業と外国人労働者の共生)」に関する調査・研究との接点を探っていくことを目的とする。またディスカッションなどを通じて、本プロジェクトのメンバーらが持つ多様な視座との融合を図ることで、「多文化共生研究」ならびに「企業文化論」に対する新たなアプローチ方法が切り拓かれる契機となることが期待される。
■「日本の国内企業(産業)が低賃金の外国人労働者を求める原因」
清水馨(大学院社会科学研究院)
報告
経営学の始祖とも言える「科学的管理法」(20世紀初頭テイラー(アメリカ)による)は、増加する欧州移民(多文化・未熟練・貧困)を管理し生産性を増大させる手法であった。日本では、外国人労働者が少子化による労働力不足を補う戦力として、この30年間、受入枠拡大の一途だった。移民は、輩出側での災害、飢餓、貧困が原因となり、受入側の労働集約的産業の労働力不足解決というニーズと合致する。長い目で見ると、北海道開拓から南米移民、日系人受入、技能実習制度に至るまで、日本国政府は150年にわたり、人の移動を統制し続けている。その間、移民先での失敗、挫折、受入側の差別、排斥運動、社会福祉フリーライド疑念など、課題も多い。経営学者の末席を汚す者として、これらの課題のわずかでも低減する企業側の取り組み事例を紹介できればと思う。