外国につながる高校生のための就活ガイド
在留資格について
外国にルーツがあり、就職を考えているみなさんにとって、自分の「在留資格」について知ることは、とても大切です。在留資格の種類には、働くことができるもの、できないもの、仕事の種類が限られてしまうもの、いろいろな仕事を選べるものがあります。アルバイトではなく、フルタイムで働きたい場合は、自分の在留資格を変えなければならないことがあります。
在留カードを見て自分の在留資格を確認してから、フローチャートに進み、自分の在留資格をいつ、どのように変えなければならないのか、確認しましょう。
2024年3月作成、2024年9月更新
注意! 在留資格の情報はよく変わるので、かならず最新の情報を確認してください。もっと詳しく知りたい人は出典の各サイトと、特に「1455号通知」を見てください。
①家族滞在以外の資格の方へ
「永住者」・「定住者」・「永住者の配偶者等」・「日本人の配偶者等」という資格を持っていれば、この資格のまま進学することも、働くこともできます。また、いろいろな仕事を選ぶことができます。
「公用」、「外交」の在留資格の人は、フローチャートに戻って、次に進みます。「家族滞在」から「留学」に変更した人も、フローチャートに戻って次に進みます。
「留学」ビザで一人で来日した人は、1455号通知に該当しません。※に進んでください。
②週28時間までアルバイトができます。
「家族滞在」ビザの人は「資格外活動許可」を取れば働くことができます。しかし、働く時間を1週間で28時間以内にしなければなりません。フルタイムで働くためには、高校を卒業して在留資格を変える必要があります。日本に住んで働くことを考えているならば、高校卒業をめざしましょう。高校卒業がむずかしければ、専門家に相談しましょう。
③進学を考えている方へ
大学や短大・専門学校に進学するならば、在留資格は「家族滞在」のまま、変更しない方がよいです。大学に奨学金を申し込む時やアパートの連帯保証人を頼む時に、「留学」ビザへの変更を勧められることがありますが、デメリットもあるので、よく考えてから決めましょう。
また、1455号通知に該当する人は、大学や専門学校を卒業した後、働くために、在留資格を「特定活動」や「定住者」に変更します。
④内定+N2で「特定活動」に
1455号通知に該当します。
日本の高校に途中から入った場合、少し条件が難しくなるものの、卒業後に在留資格を「特定活動」に変更できる可能性があります。条件としては、
- 日本の高校を卒業、もしくは卒業見込み(予定)であること。
- 企業からの内定を得ていること。
- 日本語能力試験でN2を取得していること。
- 親による身元保証があること。
の4つがあります。いろいろな仕事で、週28時間を超えて働くことができます。
「特定活動」で5年働いたあとは、「定住者」に変更できる可能性があります。
ただし、18歳になった後に日本に来た人は、1455号通知に該当しません。卒業後すぐに就職できる在留資格に変えるのは難しいです。大学や、専門学校に行くことを考えましょう。(※を参考にしてください。)
⑤内定で「特定活動」に
1455号通知に該当します。
日本の高校に初めから入学し、卒業もしくは卒業見込み(予定)である場合、在留資格を「特定活動」に変更できる可能性があります。条件としては、
- 日本の高校に初めから入学し、卒業、もしくは卒業見込み(予定)であること。
- 企業からの内定を得ていること。
- 親による身元保証があること。
の3つがあります。日本語能力試験でN2を取得する必要はありません。いろいろな仕事で、週28時間を超えて働くことができます。
「特定活動」で5年働いたあとは、「定住者」に変更できる可能性があります。
ただし、18歳になった後に日本に来た人は、1455号通知に該当しません。卒業後すぐに就職できる在留資格に変えるのは難しいです。大学や、専門学校に行くことを考えましょう。(※を参考にしてください。)
⑥内定で「定住者」に
1455号通知に該当します。
日本の小学校を卒業(途中からの入学でもOK)、中学校を入学・卒業、高校を入学・卒業もしくは卒業見込み(予定)である場合、在留資格を「定住者」に変更ができる可能性があります。他の場合とは違い、身元保証や日本語能力試験は必要ありません。
- 企業からの内定を得ていること。
- 日本の学校の卒業状況
の2つが在留資格変更の条件となります。いろいろな仕事で、週28時間を超えて働くことができます。
※ 1455号通知に該当しない人へ
「留学」ビザで一人で来日した人や18歳になったあとに来日した人は、大学や専門学校に行くことを考えましょう。大学や専門学校を卒業したあと、仕事の内容によって取得すべき在留資格の種類や条件が変わります。以下に一部の例を載せます。
職業 | 在留資格 | 条件 |
---|---|---|
「専門士」の称号と同じ分野の仕事(機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、語学講師等) | 技術・人文知識・国際業務 | ①専修学校の専門課程を修了し、「専門士」または「高度専門士」の称号を取る。 ②学んだ分野と同じ分野の仕事に就職する。 |
調理師や製菓衛生師 | 特定活動 | (製菓分野の例) ①厚生労働大臣の指定する製菓衛生師養成施設で、1年以上働くために必要な知識や技術を学ぶ。 ②製菓衛生試験に合格し、免許をとる。 ③日本語能力試験N2を取得。 ④就職先を探して、内定を得る。など |
美容師 | 特定活動 | ①美容師養成施設で、働くために必要な知識および技能を学び、優秀な成績を取り、素行をよくする。 ②美容師育成機関から内定を得る。 ③養成施設を卒業。 ④美容師国家試験に合格し、免許を取る。 ⑤日本語能力試験N2を取得。など |
日本語を使う仕事 (飲食業・宿泊業・製造業やタクシードライバー等) |
特定活動 (46号) |
①日本の4年制大学または大学院を卒業。 ②日本語能力試験N1または、BJTビジネス日本語力テストで480点以上 |
美容師や調理師の「特定活動」資格は、農林水産省(2023)の「日本の食文化海外普及人材育成事業」や、内閣府国家戦略特区(2021)の「外国人美容師育成事業」といった新しい指針によって認められたものです。この2つの指針は、海外への日本の食文化・美容方式の普及が目的のため、在留期間の更新、延長はできないとされています。自分の取りたい資格だけでなく、在留資格も一緒に調べましょう。
出典
全体の出典
「家族滞在」の在留資格をもって在留し、本邦で高等学校卒業後に本邦での就労を希望する方へ|法務省出入国在留管理庁
外国籍の中学生・高校生のみんなへ~将来就職して働くために~|東京出入国在留管理局在留支援部門 動画
入管庁管第1455号「高等学校等卒業後に本邦で就労する者の取扱いについて(依頼)」
高等学校等卒業後に日本での就労を考えている外国籍を有する方へ:法務省
【2021年10月25日UP】 がいこくじんの子どものビザ・フローチャート|かながわ・こみゅにてぃ・ねっとわーく・さいと
外国人の子どもの高校卒業後の「在留資格&進路」フローチャート(PDF)|神奈川県行政書士会国際部
在留資格と就職(動画)|glolab
見える?選べる!将来の仕事MAP|NPO法人ABCジャパン
※ の出典
製菓衛生師になるには|全国製菓衛生師養成施設協会
日本の食文化海外普及人材育成事業について|農林水産省
日本の食文化海外普及人材育成事業について(PDF)
外国人美容師育成事業|内閣府国家戦略特区
外国人美容師育成事業に関するQ&A(PDF)