東日本大震災から2年が経ちました。被災地の復興への道のりは想像以上に困難を極めています。この困難を克服することは、これからの日本社会を担っていく若者に託された大きな課題だと思います。それゆえに、学生たちにはその重い責任を引き受ける力を養ってもらわなければなりません。
千葉大学ボランティア活動支援センターは、震災を忘れない、風化させないための行動の一つとして、昨夏に2年目となる宮城県南三陸町へのボランティアツアーを実施したほか、福島県三春町の富岡小中学校との交流事業を継続的に行っています。先の見えない現状の中での体験のひとつひとつが学生たちのこころの奥に深く刻まれることを願っています。また同時に震災を契機として地域コミュニティの再生があらためて問われる中で、第二の仕事として、地域社会の中での若者のふるまいを身につけてもらいたいと考えています。この1年では、地域のNPOや社会福祉協議会等との協働でいくつかの企画を実現することが出来ました。
しかし一方で、学生たち自身から発信して社会とのかかわりを作っていくという力がまだ不足しています。ボランティア活動支援センターの学生スタッフには、ボランティア活動の普及促進につながる学内での活動だけでなく、これまでの富岡小中学校との交流事業をたいせつにしながら、復興支援活動の範囲、活動内容を広げてほしいと思いますし、また、地域社会との連携を深め、他大学との協働も念頭におきつつ、市民としての精神性の豊かさを自らが育てるような活動を積極的に展開してほしいと願っています。
最後になりましたが、八島先生はじめ富岡小中学校の教職員の皆さま、富岡町教育委員会の皆さま、そしてなによりも富岡小中学校の児童・生徒の皆さま、千葉大学の学生に貴重な学びの場を提供してくださってありがとうございます。これからも、運動会や豆まきなど、その時々の行事に参加させていただき、交流を深めさせていただきたいと願っております。