富岡小学校・中学校との交流

1. 富岡町について

 富岡町は福島県の太平洋側、東京電力福島第一原子力発電所と第二原子力発電所の間に位置する小さな町でした。震災前は人口約16,000人が住んでいました。
 原発事故により富岡町全域が警戒区域に指定され、町民は避難を余儀なくされてしまいます。震災から5年半が経過した現在も、富岡町は帰還困難、居住制限、避難指示解除準備の3区域があり、町民は町に戻ることができない状況が続いていました。
2017年4月に避難指示解除を目指しています。

富岡町

画像:富岡インサイドhttp://www.tomioka.jpn.org/

2. 富岡小中について

 富岡第1、第2小学校、および第1、第2中学校は、富岡町にあった町立学校。
合計1,470名の児童が通っていたが、原発事故の影響で全国各地に散らばってしまった。
その後富岡町は、福島県三春町の曙ブレーキ工場の工場跡地に「富岡小中学校・三春校」として仮校舎を設置。
避難先が福島県三春町に近い生徒を集め、2011年9月1日に富岡小中学校・三春校を再開。小中学校合計で約70名程度が三春校に集まり学び始めた。

(左:三春校外観、右:三春校の校内)
富岡小学校  富岡小学校

 

3. 千葉大学と富岡小学校

 富岡小中学校と千葉大学の関わりは、富岡第一、第二小学校の校長先生が千葉大学教育学部卒業であり、千葉大学のOB に支援(遊具の寄付など)を呼びかけたのがきっかけでした。
 その後、避難生活の中で人との関わりの少ない子ども達の心のケア・将来への希望やコミュニケーション能力の育成を目的とし、継続的・多面的な交流活動をしていくことが決定しました。

富岡運動会

平成26年度富岡運動会

4. 千葉大学と富岡小学校・中学校との軌跡

【年表】
2011年 3月11日 東日本大震災
2012年 1月31日
2月2日
5月18日、19日
7月11日
8月22日~24日
12月27日、28日
当時の富岡第一小学校校長先生を招いた講演会
小学校豆まき集会の活動支援
運動会の活動支援
富岡中学校「国際理解講座」の活動支援
富岡町主催「小学校・中学校の再会のつどい」の活動支援
福島県主催「富岡町立小学生の再会のつどい」の活動支援
2013年 2月1日
5月17日、18日
8月7日
小学校豆まき集会の活動支援
運動会の活動支援
富岡町主催「小学校・中学校の再会のつどい」の活動支援
2014年 1月31日
2月22日
4月18日
5月17日、18日
小学校豆まき集会の活動支援
小学校「児童と過ごす東京ディズニーランド」の活動支援
小学校「千葉大学柏の葉キャンパス植物工場見学」の活動支援
運動会の活動支援
2015年 1月30日
5月22日、23日
小学校豆まき集会の活動支援
運動会の活動支援
2016年 1月29日
5月27日、28日
小学校豆まき集会の活動支援
運動会の活動支援
2017年 2月3日 小学校豆まき集会の活動支援

 

富岡幼・小・中合同運動会支援

平成28年5月27日~28日
参加者:学生22名、 教職員9名
場 所:福島県三春町
 運動会は児童の思い出となる大切な催しですが、三春校は運営する教職員も出場する児童も少ない状況にあります。
 そこで千葉大学では毎年、学生や教職員をから参加者を募り、運動会での競技運営の補助や、競技への特別参加等をさせていただいています。
 運動会の前日には三春校に伺い、校舎見学や児童との交流を行いました。
 当日は、競技を通してより絆を深めることができました。

 

富岡幼・小・中合同運動会  富岡幼・小・中合同運動会
一緒にダンスを踊る様子  全校リレーの前に円陣を組む様子

 

参加学生の声

 大学1年生から3年間、富岡小学校との交流活動に参加してきました。初めて会った時には4年生だった子どもたちが、今は中学生です。長期間、関わることで子どもたちの成長も感じることができ、富岡小学校の状況についても理解を深めることができました。

 学生スタッフ 文学部4年

富岡運動会

一緒に給食を食べる様子

富岡第一、第二小学校冬の体験活動および豆まき集会支援

体験活動支援:平成29年2月3日
参加者:学生9名、 教職員6名
場 所:ファミリースノーパーク ばんだい×2
 富岡小学校では毎年冬に、スキー体験と豆まき集会という行事を行っています。
スキー体験では児童のスキー練習の補佐をし、またスキーが難しい児童についても、一緒に雪遊びやソリ滑りなどの交流を行いました。
 豆まき集会では、児童が豆を投げる鬼の役として参加し、行事を盛り上げました。

 

冬の体験活動および豆まき集会支援  冬の体験活動および豆まき集会支援  冬の体験活動および豆まき集会支援
参加者の集合写真    スキー教室の様子 豆まき集会の様子

 

参加学生の声

 復興の中で生活する子どもたちのがんばる姿や笑顔は、何物にも代えがたい素敵な宝物だと改めて感じました。あの子たちが笑顔やチャレンジ精神を忘れないよう、私に出来ることをもっと考えなければならないと思いました。
 また、子どもの気持ちを汲み取り、今どんな声かけをすることがその子の成長に繋がるのかを判断する力が、まだ私には不足していると痛感しました。今後も機会があれば積極的に関わり、富岡の子どもたちの力になりたいです。 
                                          学生スタッフ 教育学部3年

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