第8回東北ボランティアツアー
9月29日・30日で第8回となる千葉大学東北ボランティアツアーを開催。今回は2017年4月に避難指示が解除された福島県富岡町で活動を行いました。
場 所:福島県双葉郡富岡町
日 程:事前研修 9月25日
ツアー 9月29日
~30日
事後研修 10月11日
事前研修
ボランティアツアーを安全かつ有意義なものとすることを目的として、ツアー参加者に対して事前研修を実施しました。
健康管理や、富岡町の被災状況などについて理解を深めます。
また一緒に作業をする班員や活動を補助する教職員との顔合わせも行いました。
ボランティア活動(本の整理・清掃)
1日目の振り返り
「ふたばワールド」の参加
30日は、富岡町立第一小中学校を会場にして行われたイベント「ふたばワールド」にてボランティアを行いました。
富岡町のブースをお借りして、自作した防災カルタとボランティア活動紹介を実施しました。また、グラウンドではバドミントン・サッカー体験のブースのお手伝いも行いました。
富岡第一小学校の校長先生のご厚意で、現在も震災および原発事故当時のままで残されている校舎内を見せていただきました。
現在も当時の児童の荷物や黒板の板書が残されています。
事後研修
ボランティアツアー終了後、別日にて事後研修を行いました。参加者は日常生活に戻った上で改めてツアーでの体験を振り返り、ボランティアや被災地についての考えを深めました。
2017年4月に避難指示解除がなされた福島県富岡町。今年はインフラ整備など復旧の一年となりました。来年度からはインフラ整備とともに町づくりをどのように行っていくのかも大きな問題となります。
未だどのような町になっていくか分からない部分は多いですが、現状を知り、関心を持ち続けることが、この地域を支える大きな力となりうることをこのボランティアツアーで感じることができました。
ツアー参加者の声
- 富岡の人は、震災によって身体的に健康を害してしまったと思いますが、心理的な健康も害してしまったのがもっと大きいのではないかとお話から感じました。
- (医学研究院 修士1年)
- 放射線に対する差別など、東京にいて周りに福島からの避難者がいなかったので、あまり実感できなかったが、直接話を聞き、実際に起こっていることを感じた。
- (文学部1年)
- 放射能問題が人々の関係性にも軋轢を生んでしまっていることを悲しく感じた。
福島県内の人々も放射能について過敏になって、必要以上に不安を感じてしまっていると思った。こういった問題を少しづつでも解決していく必要があると考える。 - ( 文学部3年)
- 福島の米や野菜について、嫌だとか悲しいとかではなく、自分も県外の人間だったら食べないかもしれない、子どもにも食べさせないと思う、だから気持ちは分かるとおっしゃっていたのが、何とも言えず切なくどうしようもならない状況だとおもった。
- (教育学部3年)
- 図書館や学校再開の準備を進めているが、子どもたちが戻ってくるかどうかわからないという事実に悲しくなった。「作業員の街」という言葉が印象に残った。富岡に新しい雇用が生まれれば人は戻ってくるかもしれないと思ったが、難しいのかなとも思う。
- (融合理工学府 修士1年)
- 6年前に各地方に分散して、そこで生活の基盤が作られなかなか町に戻ってきづらいという実際の現状を実感値として理解できた。
深いところの実際の感覚について話してくださったので、ここでしか聞けない話でとても興味深かった。 - (法政経学部2年)
- 福島について理解を深めて、福島の人が過ごしやすい社会にできたらいいと思った。
(自分が福島の人だといいたくない人がいると聞いた。)町民や生徒がかなり少ない中でも復興に向けて頑張っている人の生の声を聞けて良かった。「生徒が1人でもいれば学校を再開させる」という言葉が印象的だった。 - (看護学部1年)
- これからの福島について考えなくてはならない。周りの人の福島への考え方を変えていかなくてはならない。
- (法政経学部2年)
- 避難状況の実際や戻ってくる人の心境、現地の人の放射線への考え方などを直接聞くことができてとても有意義な時間だった。自分は食べられるけど子どもには食べさせたくなかったとおっしゃっているのを聞いたのが印象に残った。
- (法政経学部2年)
- テレビ、新聞などで福島の食材は安全だ、あるいは福島の街はもう放射線の心配はないなどと叫ばれているが、実際の福島県民の考えとは大きくずれていることが感じられた。
福島県民が考える本当の意味の「安心・安全」とは何か考えさせられる内容であった。 - (法政経学部2年)
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